305号室の男。【完】
「あぁ。連れて行ってくれるか?」



「うん…」



あたしたちは、部屋を出た。



大智さんと一緒に、詠二のお墓に行く。



詠二は、どう思うんだろう。



もし話すことができたら何て言うんだろう。



奈緒ちゃん、大智さんに幸せにしてもらいな。



奈緒ちゃん…、そんな男のとこなんか行かないで僕の傍にいてよ。



ねぇ…、詠二。



詠二ならきっと、幸せになってほしいって思ってくれてるよね…?



あたし…、幸せになってもいいのかな…。
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