冷酷社長の極上の愛②
「…今は、大事な体だよな」

そう言って少し悲しそうな顔をした宗吾。

「・・・?」
私は首を傾げる。

「・・・亜紀を抱くのは、お腹の子に、

影響するだろうか?」


「…ぁ」

私はポッと頬を染めた。

…そうか、私の妊娠が分かってから、

宗吾は私を抱いていない。

体調もすぐれなかったし、宗吾は最大限の我慢をしてきたに違いない。


…今は安定期に入り、お腹の子も順調。

私も体調はとても良い。


「・・・宗吾さん」

「・・・ん?」


「優しくして…くれたら、お腹の赤ちゃんは大丈夫ですよ?」

そう言って微笑むと、宗吾は少しだけ顔の力が抜けた。

そして私をそっと抱きしめる。


「ずっと、我慢してくれてたんですよね?」

「・・・それほどでも」

顔を上げた宗吾は目を泳がせる。

その顔に愛おしさがこみ上げる。

この人はいつもどんな時も、私たちの事を一番に考えていてくれる。
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