冷酷社長の極上の愛②
「そうですね・・・子宮口も4センチ開いてます。

このまま規則正しい陣痛が始まれば、そのまま出産に」


「でも先生、まだこの子は9か月なんですよ?

大丈夫なんですか?」

少し震えた声の私に、先生は微笑む。


「・・・大丈夫、そんなに不安にならなくても大丈夫です。

体はもう出来上がってますし、生きていく力はついています。

ただ、体重が軽い事もあるので、しばらくは、保育器の中になると思いますが」


「この子を助けてください」

…それが私と宗吾のたった一つの願い。


「もちろんです。出産、一緒に頑張りましょうね」

「はい」



…それから約4時間後。

規則正しい陣痛になる。

痛みに耐えながら、呼吸法で、痛みを逃す。

…いつの間に、宗吾はそれを習っていたのか?

私と同じように、してくれた。


腰を擦ったり、痛みの合間に、飲み物をくれたり。

忙しい毎日の中で、どうやって勉強していたのか。
< 120 / 123 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop