パッセージ


どうしようか迷ったとき、周りが少しざわついた。


「あっ、見て見て!奏汰先輩だ」

「佑樹先輩もいるっ」


さわさわと囁かれる名前に心が踊った。


奏汰が近くにいるっ!


どこかな?
こっちに来るかな?
なんて話しかけようかな?


「いつの日が空いてる?」


嬉しそうな顔の吉田君が聞いてくる声で、思考が遮断された。


「あー、うんー…」

答えに迷った。


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