パッセージ
断りたいけど、なんとなく断りづらい。
でも、万が一だけど、奏汰と一緒に行けるようになるかもしれないし…。
ここは、断っておこう。
私が口を開きかけたとき。
「奏汰。放課後のことなんだけど…」
奏汰の名前を呼び捨てにする女の人の声が聞こえた。
思わずその方向を見る。
「えっ…」
そこには、笑いながら女の人と話をしてる奏汰の姿があった。
廊下の中央を、私たちのいる方にに向かって歩いてくる。