パッセージ


「じゃあ先に行ってるね、奏汰」

涼川先輩は私を見て優雅に微笑むと廊下を歩いて行った。


奏汰は「おう」と返事をして私を見た。



「…さっきの人、誰?」


「凪紗のことか?お前が去年綺麗だって騒いでた涼川凪紗だよ」


下の名前で呼び合ってるんだ…。


「ふーん、あっそ」


「何拗ねてんだよ」


めんどくさそうに顔をしかめる奏汰。


「ん?お前、何持ってんの?」

私の持っているパンフレットに気付いた。



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