パッセージ


「…別に」


そっぽを向いたが取り上げられてしまった。


「この映画…」


奏汰がつぶやいて、吉田君を見た。


「誘われたの」


「ふーん…。行くの?」


「………」

どうでも良さそうな顔の奏汰。

「行けばいーじゃん。お前を誘うなんて物好きだな」

パンフレットを私の手に押し付けるように戻すと、奏汰は廊下を歩いて行ってしまった。


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