パッセージ
何よ!
何さ!
いーもん!
行ってやる!
どうせ奏汰にはどうでもいい事なんだろうし…。
私がむくれてると、吉田君が不思議そうに声をかけてきた。
「なあ。橘先輩とどんな関係?2人とも下の名前で呼び合ってたよな?」
「別にー」
「そっか。でもいいの?」
「何が?」
「橘先輩、花厳に用があるから話しかけてきたんじゃないの?」
そういえば…。
奏汰から声をかけてくれるなんて珍しい。
何か用があったのかな?
「あ、それで、どう?映画。行かない?」