パッセージ


「お、まえ…。も、って…」


呟きながら動揺しているように視線を揺らす奏汰。


奏汰が驚いた顔をしたり、動揺したりするのは珍しい。


「そっか。ふーーーん…」


もういいもん!


私は奏汰に背を向けると、待ち合わせしている映画館に向かって足を進めた。


「なんなんだよ…」


後ろで、小さく奏汰が呟く声がした。


< 27 / 44 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop