パッセージ
「あっ!花厳ー」
腕が引きちぎれそうな程強く手を振る吉田君。
「お待たせ」
遅れてはいないから謝らない。
「ううん。てかさ、私服めちゃ可愛いな!学校の制服着てる時と全然雰囲気違う」
「えっ!そ、そっかな…」
顔が少し熱くなる。
こんなふうに直球に褒められたことがないから慣れてない。
奏汰は何も言わないからな…。
まあ恋人でもないし、あの奏汰が言うわけないんだけど!
…涼川先輩には言うのかな?
可愛いとか…。