パッセージ
私たちは近くにあった喫茶に立ち寄った。
「いきなりごめん。でも、どうしても今日言いたいことがあって」
いつもの飄々とした空気が身を潜めているせいか、吉田君が少し大人っぽく見えた。
「うん。いいよ。言って」
頼んだアイスティーが2つ、テーブルの上でゆらゆら光を反射させている。
「オレさ、花厳と違う中学校だったじゃん?」
「へ?あ、うん…」
いきなり真意の掴めない話題で、少し戸惑う。
吉田君が話したいことって何だろう?
思い出話?