パッセージ


「言い切れるの?ないって」


梨花の言葉に唇を尖らす。


「言い切れないけど…」


「懐いてるのは分かるけど、お互い節度ある距離を持つべきだと思うよ、また昔みたいな目に遭っちゃう」


「………」


私がふくれっ面で俯くと梨花は苦笑を零した。


「はいはい、ごめんって!ちょっと言いすぎた」


そのまま、むにーっと頬を引っ張られる。


「昔のこと言うのは良くなかったよね、ごめん!」


梨花の言葉に私は無言のまま大きく頷いた。


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