パッセージ



なんてバッドタイミング。

教室の外の廊下に羽海がいた。


「こんなとこで会えるなんて偶然じゃないよねっ」


言うが早いが、オレが避ける間もなく抱きついてくる。


「…離れろ」

「やだっ」


頬が引き攣るのを感じながら羽海を睨みつけるように見下ろす。


「いやー、羽海ちゃん。相変わらず奏汰大好きなんだねー」


隣で面白そうに笑う佑樹。


笑ってないで助けてくれ。

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