裸の街
それにしても
スタイルいい女だな
けど、欲情しないんだなーこれが。
「欲」の制御装置が効いてんのか。
いいんだか悪いんだか…
な、サトシ。
と、サトシを見ると、
彼女をじーっと眺めていた。

どうぞこちらへ。

通されたその部屋は
薄気味悪かった。
さらにいろいろな
ボディースーツが置いてあるのだ。

女は言った。

今ここに置いてあるものは
我が社、唯一の商品、
TAA-1aのカラー版です。
店に置いてあるものは
ノーマルカラーの600万円
のものですが
こちらの商品は、ピンク、ブルー
グリーン、レインボーの4色で
店頭には出していない、
プレミアムカラーとなっております。
よろしければ「無料」で
貸し出しいたしますよ。
お気に召さない場合は
そのまま返却いただいて
かまいません。

そっかー 結局は
さらにいい商品の売りつけかあ。

じゃ、レインボー!

サトシは元気よく言った…。

ま、無料って言うし、
そのレインボーカラーを
持ち帰ることにした


…帰り道…


よかったじゃんサトシ。
希望のボディースーツ
借りれて。

うーーん。

うーーん、て、
買うことはできないから
不服なのか?

じゃなくて。

じゃ、なに?

気づかなかった?

なにを?

あの店員さん。

あの美人の店員が何?

あの子、
人間じゃないよ

ええーーー

あの子、ロボット、
アンドロイドだよ

うそだ・・・
人間にしか見えない
たしかに完璧すぎたけど・・・

600万のスーツどころじゃないよ
あの技術は……

サトシは不安そうに言った
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