オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
◇女嫌いな一匹狼
7月上旬の日曜日。
真っ青な空と白い雲。
夏の到来を感じさせる蝉の鳴き声。
薄っすらと汗ばんだ額をタオルで拭いながら、ハルちゃんから貰った地図を片手に目的地を目指す。
「こんな所あったんだ…」
若者が集うお洒落な街の街角を曲がり、路地を進むと突如現れた広場。
騒がしく色鮮やかなメインストリートとは違って、そこは緑が植えられ静かでゆったりとした時間が流れていた。
そして、その一角に建つ白い二階建ての建物。
赤い屋根。
丸いテーブルが三つ置かれたテラス。
ドアのすぐ横の壁に【Oasis Cafe】とかっこよく筆記体で書かれた木製の看板が打ち付けてある。
「オアシス・カフェ……ここだ」
洋風の白いドアには【OPEN】の吊るし看板が掛けられている。
緊張でドキドキ高鳴る心臓を落ち着かせるように息を吐き、ゆっくりとドアを引いた。
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