オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
どれぐらい眠っていただろうか。
ふと人の気配を感じて薄目を開けると、ベッドの脇には女子生徒の姿ーー。
日差しが逆光になって、顔に影が落ちているけど…
何と無く、母さんに似てるって…思った。
気が付くと、俺はその女の腕を引いていた。
俺の上に被さる華奢な身体。
驚いて目を丸くしてる人物は、間違いない。
平井柚姫だと、すぐにわかった。
なんで母さんに似てるだなんて思ったんだろう。
顔なんて全然似てないのに…
『ねぇ、これから俺といい事する?』
天然で純粋で、心がキレイで。
曲がったことが大嫌いな真っ直ぐな子。
そうハルさんは言うけど、本当にそんな女いるんだろうか。
少なくとも、今まで俺の周りをウロついてた中にはそんな奴、一人もいなかった。
付き合ってもないし、好き同士でもないけど。
顔が良いから、暇だから、快感に酔いしれたいから…
不純な動機で簡単に身体を重ねる。
そんな女ばかり。
…俺も、人のことは言えないけど。