オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
とりあえず、この先輩を何とな宥めないといけない。
『まぁまぁ、先輩。少し落ち着いて』
そう優しく声を掛けたのに…
『落ち着いてなんかいられないわ!私とあの子、どっちを取るのよ!蒼‼︎‼︎』
はぁ…面倒だな。
この人はサバサバしてて、見た目も美人で俺好みだし、面倒臭いことにならないと思ってたのに。
俺は女に深く濃厚なキスをした。
舌を絡め取り、いやらしい水音が鳴り…
女は目を潤ませて、『好きよ…蒼が、好き…』と口にした。
『俺もだよ』
もうこの人とも終わり。
本気になった女ほど、面倒なものはないから。
キスの最中、柚姫ちゃんは背を向け耳を塞いでいた。
ちょっとやり過ぎたか…
刺激が強いよな、純情な柚姫ちゃんには。
チャイムと同時に準備室を出ると、女にはサボると言って先に戻ってもらった。
数分して、ゆっくりとドアを開けた柚姫ちゃんは俺の姿を見てひどく驚いた表情を見せた。