オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
「やっぱり女性スタッフがいるだけで店の雰囲気が明るくなるな」
「どうして今まで女性スタッフを雇わなかったんですか?」
スタッフルームのボードに貼ってあったシフト表は見事に男性の名前が並んでいた。
もしかして、ハルちゃんの好みで男性しか雇わないとか?
今日出勤してるバイトさんは、卓人さん筆頭にイケメン揃いだし。
表向きはお洒落なカフェだけど、これじゃあまるで隠れ執事カフェみたい。
すると、並木さんは私の考えを悟ったかのように「違う違う」と苦笑いを浮かべて続けた。
「雇わなかったわけじゃない。皆辞めちゃったんだよ」
「辞めた?」
「オープンの時は五人はいたかな。だけどあまりにも忙しくてね。それと一番の理由はあれ」
そう言って、接客してる卓人さんに視線を向けた。
「卓人さん…ですか?」