オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
「父さんだって蒼が無事で…蒼がいてくれて良かったって思ってる。母さんが体を張って助けた蒼を、父さんは命をかけて守って行く」
目尻に皺を寄せ、柔らかく微笑む父さん。
その視線の先には最後の家族旅行になった写真。
向日葵畑のど真ん中。
三人とも向日葵に負けないぐらい明るく満面な笑顔で。
俺の両隣りに母さんと父さんがいて、頬がくっつくぐらい顔を寄せ合っている。
俺はこの7年間、どうして道に迷ってしまったんだろう。
こんなに愛してくれてるのに。
ごめんな、母さん…
この7年間の俺を、天国でどんな風に見てた?
悲しかったよな、辛かったよな…
ごめんな、父さん…
仕事で忙しいのに、毎日出来るだけ早く帰って来てくれてたよな。
元気付けようと、色んなとこ連れてってくれてたし。
凄い心配掛けて、でも俺を見捨てないでいてくれた。