オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
でも、もう大丈夫だから。
ちゃんと勉強して、私生活も正して、バイトも頑張って。
父さんを少しでも楽にさしてやるからな。
「明日、バイト休みだから」
「…え?」
「一緒に行くんだろ?母さんの墓参り」
「蒼…」
中学生になってからというもの、父さんと一緒に墓参りに行った記憶がない。
命日はいつも俺が具合悪くて部屋に閉じ籠っていたから。
「大丈夫なのか…?」
父さんは心配そうな表情を浮かべている。
「ふっ。舐めんなよ?」
そう言ってニヤリと笑って見せると、「生意気だ。さっきまでベソベソ泣いてたくせに」と俺の髪をクシャクシャ撫で回した。
明日、ちゃんと謝ろう。
母さんの墓前で、この7年間心配かけたことを…
「よーし!今日の夕飯、メニュー変更!唐揚げにするぞ!」
「今からかよ⁉︎カレー作ったんだろ?それでいいじゃん」
「カレーは明日でもいいんだよ!一晩置いた方が美味しいんだから。今は唐揚げの気分なんだ!ほら、蒼も手伝え」
「ったく、仕方ねぇな」
母さん…俺と父さんは大丈夫だから。
安心して、ゆっくり休めよな。