オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜

「柚姫ちゃん、どうした?」

「え?」

「元気ないけど。俺で良かったら相談乗るよ?」


心は本当に正直で。

優しい声と眼差しに、胸が跳ね上がった。

だけど…


「男問題?柚姫ちゃんを傷付けたら俺が一言いってやるから」

「あら、私も黙ってないわよ」


遣都さんが私に興味ないことなんて分かり切ったことなのに。

はっきりとそれを告げられたような気がして、胸が苦しい…

今にも涙が込み上げて来そうで、グッと飲み込む。


本当はこの場にいたくない。

プロポーズの話も、他の女性を想って幸せな顔をする遣都さんも見たくない。

でも今ここで裏に逃げたら、私の気持ちに気付かれそうで。

私は無理矢理笑顔を取り繕う方を選んだ。

この気持ちは知られたくない。

恋人になれないのなら、このままの関係を続けたい。



< 125 / 251 >

この作品をシェア

pagetop