オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
「柚姫ちゃん、どうした?」
「え?」
「元気ないけど。俺で良かったら相談乗るよ?」
心は本当に正直で。
優しい声と眼差しに、胸が跳ね上がった。
だけど…
「男問題?柚姫ちゃんを傷付けたら俺が一言いってやるから」
「あら、私も黙ってないわよ」
遣都さんが私に興味ないことなんて分かり切ったことなのに。
はっきりとそれを告げられたような気がして、胸が苦しい…
今にも涙が込み上げて来そうで、グッと飲み込む。
本当はこの場にいたくない。
プロポーズの話も、他の女性を想って幸せな顔をする遣都さんも見たくない。
でも今ここで裏に逃げたら、私の気持ちに気付かれそうで。
私は無理矢理笑顔を取り繕う方を選んだ。
この気持ちは知られたくない。
恋人になれないのなら、このままの関係を続けたい。