オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
「心強いです。でも何でもありませんから。それより!プロポーズ頑張ってくださいね」
そう言って、出来る限り満面の笑みを浮かべる私。
隣りにいるハルちゃんが、ハッと息を呑んだのがわかった。
きっと、今ので私の気持ちに気付いたんだと思う。
今まで気付かれなかった方が奇跡だけど…
「ありがとう。でもちょっとキザすぎるかな?」
「いいえ。プロポーズはキザなぐらいが調度いいです。夜景の見える場所でとか観覧車が頂上に行った時にとか。ロマンチックな方が心に残るじゃないですか」
「心に残る、か」
「はい。女性は誰もがプロポーズに夢があるんですよ」
「そうだよな。人生で一度だしな。よし!柚姫ちゃんの助言の通り、思いっきりロマンチックなプロポーズを演出してみるよ」
えくぼを刻み、眩しい太陽のような笑顔。
遣都さんをそんな笑顔にさせるのは、きっとこの世でただ一人、彼女だけ。
醜い嫉妬心がぐるぐると胸を掻き立てる。
こんな自分、好きじゃない。
だけど、止まらない…