オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
夏休みに入り、街はどこも賑わいを見せ始めた。
オアシス・カフェも予想以上に大繁盛で、ハルちゃんは嬉しい悲鳴を上げている。
私はというと、週の半分以上を店で過ごしている。
バイトが休みの日は凛子とショッピングや海に行ったり、お母さんとカラオケに行ったり。
遣都さんに会うこともあったけど、忙しくて会話もほとんどすることなく。
8月になった。
ミーンミーンと蝉が鳴り、太陽の日差しが肌に突き刺さる。
今年は例年以上の暑さで、夏休み序盤なのにも関わらず過去最高の気温が出たほど。
日焼け止めを塗っても意味がない。
凛子と二回海に行っただけなのに、水着の跡が残り、肌はやや小麦色に焼けてしまった。
「ズルイ!俺も行きたかったなー」
「蒼君、海好きなの?」
昼からバイトのため街を歩いていると、同じ時間入りの蒼君とばったり会った。
「好きじゃない。暑いし、焼けるし。でも柚姫ちゃんの水着姿見たい!」
最近、店で女性に声を掛けられても全部断ってる蒼君。
だけどお調子者な所は変わってないようで、私は苦笑いを浮かべた。