オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜

私だったら考えられない。

腕く組んだり、手を繋いだり、二人っきりで遊びに行ったり…

私なら恋人としかしたくない。


「…他人が口を挟むことじゃない」

「どうしてそこまで澤村さんを庇うんですか?」

「…別に。庇ってねぇよ」


卓人さんは眉間に皺を寄せて言うと、備品室を出て行った。

パタンッとドアが閉まる音が、やけに耳に残る。


もしかして、卓人さんは澤村さんのこと…好きなのかな…?

遣都さんという婚約者がいるから、敢えて冷たい態度を取ってるのかもしれない…

じゃないと、あそこまで澤村さんを庇う理由なんて思い当たらないもん…


胸がチクンと痛む。

卓人さんも私と同じ。

報われない恋をしてるのかもしれない…


この胸の痛みは同情。

卓人さんの気持ち、私が一番よくわかるから。

そう…ただそれだけ…





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