オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
「あのな、一人で帰らせたらハルさんに怒られるの俺だから」
「でも…悪いです…」
「はぁ…いいから、お前は黙って送られとけ」
卓人さんのため息混じりの声が胸に刺さる。
やっぱり…迷惑だよね…
勉強見てもらうのだって、半ば強引だった気もするし、生徒は出来が悪い私。
勉強が終わってからも家まで面倒見ないと店長から文句言われるし。
そんなの誰だって面倒臭いよね…
卓人さんの数歩後ろを俯きながら歩く。
どうしてこんなに辛いんだろう。
卓人さんに冷たくされるのも、話し掛けてもらえないのも、慣れてるはずなのに。
ただ、卓人さんはため息を吐いただけなのに…
胸がズキズキ痛い。
面倒臭い女って思ったかな…
私とは関わりたくないって思ったかな…
じんわりと視界が滲んでいく。
あ…やばい…涙出そう…
ここで泣いたら、また迷惑掛けちゃうよ…
また嫌われちゃう。
そんなの、嫌だ…