オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜

私が卓人さんを尊敬の眼差しで見つめていると、それに気付いた卓人さんは「何だよ」と気恥ずかしそうにそっぽを向いてしまった。


「ふふ。卓人さんはやっぱり凄いなと思って」

「…別に」


あ。また照れた。

少しだけど頬が赤くなっている。

色んな卓人さんの表情を見るたび、嬉しくなる。

相変わらず女性のお客様には冷たく接してる卓人さん。

私だけ特別なの?なんて期待しちゃう…



「いらっしゃいませ。二名様ですか?」


スタッフが来店したお客様に声を掛ける。

私と卓人さんも反射的にドアの方に目を向けると、二人してハッと息をのんだ。

なんで…?どうして、ここに…?

今まで一度だって来店したことないのに…

よりによって、どうして遣都さんが来てる“今”なの…?


「ねぇ…やっぱり帰ろうよ…」

「なんでだよ。ここのパンケーキ、美味いって評判なんだぜ?穂花が喜ぶと思って連れて来たのに」


新たに来店したお客様ーー、

澤村さんとこの前一緒に歩いてた男性は、ひそひそと言い合っている。

だけど、その手元はしっかりと恋人繋ぎをして。


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