オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
「なぁ、穂花。大事な話があるんだ」
「…大事な、話…?」
穂花は緊張した面持ちで椅子に座り直した。
潤った瞳のせいなのか、ゴンドラを囲うように光るライトのせいなのかわからないけれど、穂花の焦げ茶色の大きい瞳がキラキラ輝いている。
心臓が激しく鼓動して、身体中が緊張に支配される。
、
それを落ち着かせるように、生唾をゴクッと飲んだ。
ゴンドラは頂上に達したようだ。
俺はもう一度ポケットに手を入れて、手のひらサイズの四角い箱を握り締める。
「一生大切にする。世界一幸せにするから、俺と結婚してください」
何度も何度も、頭の中で練習したプロポーズの言葉。
どんな臭い台詞よりも、ストレートに伝えた方がいいと思った。
ポケットの中で握り締めていた物を穂花の目の前で開く。
中には給料三ヶ月分のダイヤモンドの婚約指輪。
穂花は目にいっぱいの涙を溜めて、両手で口元を覆っている。
目を最大限に見開いて、信じられないと言わんばかりの驚いた表情さえも可愛いって思う。