オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
「でもちょっとだけ、妬けちゃうな。その高校生の女の子、遣都のこと好きなんじゃない?」
そう言って、頬を膨らませた穂花は俺のジャケットをギュッと握った。
「なに?ヤキモチ?」
「違うもん…ただ…」
「大丈夫だよ。そんなことあり得ないから。それに、俺は穂花だけいればいい」
柚姫ちゃんから見たら、俺はおっさんの部類だし。
俺を好きだなんて、そんな素振り全くない。
穂花にヤキモチ焼かれるのは嬉しいけど。
「ホント?遣都、鈍いからな」
「なら今度、一緒に行こう。そこの店長にもその子にも紹介する。本当に世話になってるから」
あそこは俺の秘密の憩いの場だけど、もう秘密にする必要もない。
それに、俺の憩いの場は穂花が待つ俺たちの家になるはずだから。