オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
夜空を見上げる。
薄い雲が掛かり、泣いてるように見える月と都会の明かりで輝きをなくした星達。
山奥に行って、ゆっくりと満天の星空を見上げて、心を無にしたい。
そうすれば、このドス黒い感情も少しは浄化されるかもしれない。
この忙しい時期に、休暇なんて取れるわけもないけど。
そんな時、ふと柚姫ちゃんの顔が頭に浮かんだ。
…なんで彼女なんだろう。
今まで、他の女性のことなんて興味もなかった。
穂花だけがそばにいればよかった…
俺の中には、こんなことになってもまだ穂花でいっぱいで。
今日のことが夢だったらいいのに、とかもしかしたら一緒にいた男は兄弟か親戚かも…なんて都合のいいことばかり考えてしまうのに。
こんな時に別の女性が思い浮かぶなんて…