オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
二学期。
卓人さんのおかげで、全てのテストが無事に終わった。
何とか赤点は免れそうな感じで、ホッと胸を撫で下ろす。
テスト最終日は午前中で学校が終わり、私は凛子とバイトの時間までファミレスへ向かった。
「チャンスじゃない‼︎」
「チャンス?」
「遣都さんの傷付いた心を癒して、あわよくばハートをゲット出来るチャンスってこと‼︎」
この前の修羅場の話をすると、凛子は箸を止めて言った。
凛子には私の気持ちの変化をまだ話していない。
自分の気持ちが全然わからなくて、話すどころじゃなかった。
「…って、ごめん。不謹慎だよね」
「……」
「柚姫…?どうした?」
「私……」
溢れた涙が、ぽろっとフォークを持つ手に落ちた。
急に泣き出した私を見て、「え?え?柚姫?」とおろおろする凛子。