オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜

「私、変なの…」

「変って?」

「遣都さんのことが好きだったはずなのに…今、遣都さんは凄く辛いはずなのに…私の頭の中は遣都さんじゃなくて、卓人さんでいっぱいなの…」


あの晩も、テスト中も、考えることは卓人さんのことばかり。

なんであの二人が抱き合ってたの?

二人は付き合うことになったの?

卓人さんは穂花さんを好きなの?

考えても答えは出ないことなんて、わかってることなのに…

考えずにはいられない。


「柚姫…」

「昨日、穂花さんと卓人さんが抱き合ってるの見たの。見てるのが辛くて、苦しくて…胸がギュッて締め付けられた。涙が止まらなくて…」


思い出すだけで、涙が溢れ出す。

最近の私は泣いてばかりだ…

だけど、この涙を止める術を、私は知らない。


凛子は何も言わず、よしよしと頭を撫でてくれた。



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