オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
凛子と別れバイト先に向かう。
今日は卓人さんも出勤のはず…
どんな顔をして会えばいいんだろう。
今はあまり、会いたくないな…
店に着きスタッフルームのドアを開けると、中には蒼君の姿しかなかった。
まだ卓人さんが来てないことに、ホッと胸を撫で下ろしていると…
「柚姫ちゃん!」
「うわぁ‼︎」
蒼君が思いっきり抱き付いてきて、油断していた私はよろめいてしまった。
「やっとテスト終わった」
「ちょちょちょ、ちょっと!蒼君、離してって」
「無理、充電中」
駄々っ子のような甘えた声の蒼君。
最近の蒼君は、こうやってスキンシップをしてくることもなく、バイト帰りに一緒に帰る程度だったのに。
もしかして…また女遊び解禁とか?
「ねぇ、このまま二人でデートする?」
ああ、やっぱり…
私は無理矢理蒼君の腕を解くと、真っ直ぐ目を見つめた。