オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
「もう卓人さん、空気読んでくださいよ。今いいとこだったんですから」
だけど、蒼君はそんな卓人さんを気にもしてない様子で、私を離すといつもの調子で言った。
「柚姫ちゃん、今日一緒に帰ろ?さっきの話の続きしたい」
「え、あ…」
さっきの続きって…告白、ってことだよね…
チラッと卓人さんを見るも、卓人さんは黙々と制服に着替えている。
やっぱり、卓人さんにとったら私なんてどうだっていいんだよね。
他の男性に抱き締められようと、告白されようと、関係ないんだよね…
ズキッと胸に痛みが走る。
「…いいよ。一緒に帰ろ」
「まじ?やったー!」
蒼君は、告白をOKしたわけじゃないのに、それと同じぐらい喜んでいる。
卓人さんは、ガタンッとロッカーを閉めて、私を見ることもなくスタッフルームを出て行った。