オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜

【平井さんの好きな人って、もしかして俺が初めて声掛けた日に、自販機の所にいたバイト先の人?】


突然の絵文字も顔文字もない永山さんからのメールに、ドキッとした。

なんで知ってるの?

私、一度も好きな人がいるなんて言ってないのに。


【どうしてそう思うの?】

【カフェに行った時、平井さんがいつも彼のこと見てたから。もしかしたらって思って】


私、そんな赤ら様に見てた?

蒼君にバレバレだって言われてから数日、目で追わないように気をつけてたつもりなのに…


【まさか!違うよ】

【そっか。ごめん、急に変な話して。彼、凄いかっこいいから、正直少し焦った。もし彼がライバルだったら、俺勝てねぇもん】


メールを見てハッとした。

私…凄く失礼だった。

永山さんとメールしながら、卓人さんのことばっか考えて。

顔は少し似てるけど、性格も雰囲気も全然違うのに…

どこかで、永山さんが卓人さんだったら…って思ってた。


卓人さんとだったら、他愛もないメールのやり取りなんて出来ないと思う。

永山さんとだから、くだらない話でもどんな話でも楽しくて、こうやってマメに返信してくれるのに…


ちゃんと向き合わなきゃ駄目。

真っ直ぐに、誠実に、気持ちを伝えてくれる永山さんには、ちゃんと。



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