オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜

「あなた、卓人が好きなの?」

「…どうしてですか?」

「この前、私たちが抱き合ってるの見てたでしょ?それ見て傷ついた顔して走って行ってしまったから」

「……っ…」


やっぱり、澤村さんは私が見てたこと気付いてたんだ…


「諦めてくれる?」

「諦め、る…?」

「卓人は私のそばにいてくれるって言ったわ。私を一人にしないって、抱きしめてくれたのよ」

「…っ、そんな…」


卓人さんが…本当にそんなこと言ったの?

卓人さんはきっと澤村さんが好きなんだって…

二人はもう付き合ってるかもしれないって、考えなかったわけじゃない。

だけど、どこかで違ってほしいって思ってた…

それは私のただの妄想で、抱き合ってたのは何かの間違いだって…

でも、全部…全部本当のことなんだ…

私は卓人さんを諦めなきゃいけないの…?

そんなの、嫌だよ…

こんなに好きなのに…

諦めるなんて、出来ないよ……



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