オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
温かい…
蒼君の腕の中も、心も気持ちも…
このまま蒼君に甘えたくなる。
蒼君なら、本当に私を泣かせたりしない。
いつもわたしを一番に思って、優しく、楽しい時間を過ごせると思う。
だけど、報われないとしても、私の心は卓人さんを求めてるんだ。
凛子が前に言ってた。
“ここがね、震えるの。ドキドキしてきゅーって締め付けられる。心がね、この人が好きだーって叫んでるみたいに”
あの時はどういうことかよくわからなかった。
遣都さんが好きだった時には感じなかった。
でも、今ならわかる。
卓人さんを思うと、心が苦しいくらいに締め付けられる。
心が…ううん、全身が卓人さんを好きだって叫んでるんだ…
私は目をギュっと閉じ、首に回る蒼君の腕を握った。
「蒼君…ごめんなさい」