オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜

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休み明けの昼休み。


「それは恋よ、恋!」


そう豪語するのは親友の小澤 凛子(オザワ リンコ)。

同い年とは思えないほど大人びていて、すれ違う男子が振り返るほどの美人。

すらっとした長身でスタイル抜群。

胸まである黒髪はツヤめき、風が拭くとサラサラと靡く。

サバサバしていて、しっかり者で。

まさに大和撫子な彼女。


「こ、恋⁉︎だって昨日初めて会ったばかりの人だよ?」

「そんなの関係ないわよ。恋は突然やってくるんだから」


恋は…突然やってくる…?

そうなの?そういうものなの?

遣都さんのこと何も知らないのに。

話だって少ししかしてないのに。


「柚姫は一目惚れしたのよ。遣都さんに」


凛子は「柚姫にもやっと春が来たかー」と鼻歌を歌っている。


春だなんて…

正直、恋がどういうモノなのかよくわからない私には程遠い話で。

好きってどんな気持ち?

授業で習うわけでも答えがあるわけでもないのに、どうして相手のこと好きってわかるの?

そんな風に考える私はまだお子さまなのかな…


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