オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜

「私は気付いたら好きになってたよ。でも、どこが好きなのって聞かれたら正直困る」


凛子曰く、彼氏さんは…

『頭は良いけど鈍臭くて年上男のくせにすぐ泣くし、緊張してカチカチになるし、とにかく情けないの!だから私が隣りにいてやらないと駄目なのよ』

なんて言ってるけど。

彼氏さんの話をしてる時の凛子は本当に幸せそうで、そういう情けない所も全部引っ括めて好きなんだなって思う。

素敵な恋、羨ましいほどに。


「柚姫、いい?理屈じゃないの。直感なのよ」

「直感?」


凛子は頷くと、胸に両手を当て長い睫毛を下ろした。


「ここがね、震えるの。ドキドキしてきゅーって締め付けられる。心がね、この人が好きだーって叫んでるみたいに」


心が、叫ぶ?



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