オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
動物園に着くと、私と凛子は男性陣の存在を半分忘れて、子供のようにはしゃいでいた。
「ねぇ凛子!あっち!ペンギンだって!」
「ホント⁉︎行こ行こ!ほら、二人とも早く!置いてくよー!」
柵に手を掛けてペンギンゾーンを覗くと、陸でブルブル震える一際小さいペンギンの群れを見つけた。
「あのペンギン小さい!赤ちゃんかな?」
「フェアリーペンギンだって。あれで大人だよ」
そう言いながら、永山さんは私の隣りに並んだ。
凛子達は少し離れたところでオウサマペンギンを見て、仲良く写真を撮り合っている。
二人はお似合いで、見ていて凄く羨ましい。
「へぇ、あんなに小さいのに大人なんだ。可愛いな〜」
「平井さんも可愛いよ」
「へっ‼︎⁉︎⁉︎」
パッと永山さんを見ると、永山さんは案の定、真っ赤に顔を染めて私を真っ直ぐ見つめていた。
「あ、ありがとう、ございます」
顔が熱い…
私は火照る頬に手を当てて、ドキドキが収まるのを待った。
「ねぇ、この後二人で回らない?」
「え?」
「ちょっと待ってて」
そう言って、永山さんは凛子達の元へ駆け寄った。
そして、すぐに戻って来ると、飛びっきりの笑顔で「行こう!」と私の手を引いて歩き出した。