オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
「遣都さんってどんな人なの?」
凛子の問い掛けに、頭の中で昨日の遣都さんの姿を思い浮かべる。
スーツがよく似合ってて、清潔感があって…
笑うと目尻に皺が寄って。
その目元の笑い皺は幸せの証で。
遣都さんの人生は笑顔で溢れてるんだろうなって思う。
そして何よりも、頬に刻まれるえくぼが可愛くて。
「とっても笑顔の似合う人…かな」
あの笑顔を見て、凄くドキドキしたんだよね…
その胸の高鳴りは、結局遣都さんが帰るまで収まる事はなかった。
「柚姫、とってもいい顔してるよ」
「いい顔?」
「うん。いつも可愛いけど、今の柚姫は最高に可愛い」
「凛子までハルちゃんみたいなこと言って…」
「はぁ…柚姫の天然は国宝級か」
凛子の最後の言葉は突然の男子の大声によって、私の耳に届く事はなかった。