オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
「それが恋。相手を想うと幸せな気持ちになる。気付かないうちに女の子を可愛くするの。さっき遣都さんのことを思い出した時、あったかい気持ちにならなかった?」
「…うん」
胸が陽だまりのように、ぽかぽかになった。
でも、凛子が言うように胸がきゅーって締め付けられたり心が震えたりはしなかった。
凛子は「その内そういう気持ちもわかるよ」と、私の考えを悟ったかのように言った。
「それにしても会ってみたいわ。槙村卓人!美男子なんてそう滅多に拝めるものじゃないもの!」
そう言って、目をキラキラと輝かせる凛子。
「凛子が来てくれたらハルちゃんもきっと喜ぶよ」
「ハルさんにも久しぶりに会いたいし、遣都さんも見てみたいし。今度彼氏と遊びに行くね!」
凛子の彼氏さんは着物が似合いそうな大和男子。
二人が並ぶと本当にお似合いで。
あの彼氏さんを紹介したら、まず間違いなくイケメン好きのハルちゃんの目はハートになる…
テンションも最高潮に達して…
想像しただけで頭が痛い。
だけど凛子は私とは逆に、「うちの彼、ハルさんに合格点貰えるかしら〜」とまたもや鼻歌を歌っていた。