オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜

ブーッ、ブーッ…


「ーー…えっ?誰⁉︎」


私以外誰もいないはずなのに、突然聞こえた携帯のバイブ音。

咄嗟に振り返ると、私が眠っていたベッドの隣ーー、

窓側のベッドがカーテンで仕切られているのに気付いた。


誰かいるの…?

寝息も聞こえてこないぐらい静かで、人の気配なんて全然感じなかったのに。


忍び足で窓際のベッドに近付き、恐る恐るカーテンに手を伸ばす。


「ーー…っ…」


カーテンの隙間からそっと中を覗いた私は、思わず息を呑んだ。


ベッドで気持ち良さそうに眠っている男子生徒。

ネクタイの色からして一学年下だろうか。

ナチュラルブラウンの猫っ毛。

伏せた睫毛は付け睫毛をしてるかのように長く、白い肌に影を落としている。

形も色もいい唇は薄っすらと開き、規則正しく呼吸を繰り返す。

羨ましいぐらい小顔で中性的な彼は、外国の王子様のようで。

…目を奪われた。




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