オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
「綺麗な寝顔…」
真っ白な太陽の日差しがスポットライトのように彼に当たっている。
カーテンが引かれたその空間だけが、まるで異空間のよう…
もう少しだけ…近くで見ても、いいよね…?
私の足は無意識に、彼に引きつけられるようにゆっくりと進む。
ベッドの横で足を止め、顔を覗き込もうとした、その時ーー。
「きゃっ‼︎」
グイッと思いっきり腕を引っ張られた私は、ベッドに横たわったままの彼の上に倒れこんだ。
「覗きが趣味?」
クスクスと笑いながら、そう耳元で囁く男の子。
中性的な顔立ちからは想像出来ないほど低く明瞭な声が鼓膜を震わせ、私は咄嗟に胸を押し返した。
顔を上げると、息が掛かるぐらい近くにある端整な顔。
くっきり二重の色素の薄い透き通った瞳が瞬きもせずに私を見つめてくる。