オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜

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珈琲と甘い香りが漂うオアシス・カフェ。

窓からは日が差し込み、夕方とは思えないほど明るくゆったりとした時間が流れている。


「柚姫ちゃん、こんにちは」


清涼感のある優しい声に、俯いていた顔を上げた。


「け、遣都さん!こんにちは」

「学校帰り?」

「はい。遣都さんは会社帰りですか?」


遣都さんは昨日同様、スーツの上着を脱いでいる。

今日のネクタイは淡いピンクのストライプ。


「いや、俺は休憩中。これから会社戻らなきゃいけないんだ」


そう言って、腕時計を確認する遣都さん。


「そうなんですか…大変ですね」


残念だな…

もう少し話せると思ったのに。



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