オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
「やっぱり私…遣都さんのこと…」
スタッフルームで一人、ユニフォームに着替えながら遣都さんの笑顔を思い出す。
すき…
好き…
「…好き」
言葉にした瞬間、胸の中に広がる温もり。
不確かだった想いが、確かなモノに変わっていく。
自覚すると、その想いは一瞬で大きく膨らんで。
ひだまりにいるような、そんな清々しい気分になった。
「何ニヤけてんの?」
私しかいないはずなのに、突如聞こえた明瞭な声。
振り返ると、スタッフルームのドアに凭れた今一番会いたくない人物ーー、
保健室の男の子がいた。
「なっ…なんで、あなたが…?」