オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
「ユズキちゃんって、遣都さんのこと好きなんだ」
「ーー…っ‼︎」
最悪…聞かれてたんだ…
よりにもよってこの人に聞かれるなんて…
当の本人は、私の問いにも答えず「へぇ〜」と口元に笑みを浮かべている。
「か、関係ないでしょ⁉︎あなたには…それより、あなたは誰なの⁉︎」
「関係ない、か…そんな寂しいこと言わないでよ…」
そう言って、ショボンと落ち込んだ素振りを見せる男の子。
それは怒られた子犬のようで。
こっちが悪いことをしたような気になる…
「あ、あの…」
私が言葉に詰まった、その時ーー。
「ゆっずき〜!」
いつも通り陽気なハルちゃんが、気まずい雰囲気を吹き飛ばすように語尾に音符マークを付けてスタッフルームのドアを開けた。