オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
「あら、蒼も来てたの……何かあった?」
ハルちゃんは気まずい雰囲気が漂っているのに気付いたのか、怪訝な表情を浮かべた。
「まさか…蒼!柚姫に何かしたんじゃないでしょうね⁉︎」
そう言って、今にも掴みかかりそうな勢いのハルちゃん。
「やだな、何もしてないですよ。まだね」
「ーー…まだって…柚姫に変な事したらただじゃおかないわよ!」
「わかってますって。ホント、過保護なんだから、ハルさんは」
蒼という男の子は、今にも噴火しそうなハルちゃんをぬらりくらりとかわしている。
そんな蒼君とまだガミガミ怒ってるハルちゃんを、呆気に取られてポカンと見ることしか出来ない私。
すると、
「遅いと思ったら…またやってるよ…」
「並木さん!」
いつの間にかスタッフルームに入って来ていた副店長の並木さんは「やれやれ」と溜息をついた。