オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
「まずはこれに着替えてね」
スタッフルームに案内されるとハルちゃんから制服を受け取り、一角にあるカーテンが着いたボックスで制服に着替えた。
「凄いお洒落…」
鏡に映るのは、いつもより大人びた自分。
白いシャツに細身の黒いパンツ。
腰にえんじ色の前掛けエプロンを巻いて、女子スタッフは同じ色のタイを結ぶ。
たったそれだけなのに本当にお洒落で、いつもの子供っぽい自分じゃないみたい…
「…どうかな?変じゃない?」
カーテンを開けて問い掛けると、ハルちゃんは「きゃあ!」と黄色い声を上げた。
「柚姫!可愛いじゃない!似合ってるわよ‼」
「そ、そうかな…?」
「そうよ!ああ…やっぱり柚姫を店に出したくないわ…変な虫が絶対寄って来るもの」
そう言って、わざとらしく大きくため息を吐くハルちゃん。
「変な虫…?寄って来る?」
それってつまり…
私…自分で気付かなかったけど、もしかして臭うとか⁈