オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
私が頭上にハテナを浮かべていると、
「柚姫…それ、本気で言ってる…?」
凛子はそう言って、呆れたと言わんばかりにため息をついた。
「蒼君はこの学校で一番の人気者じゃない!」
「人気者?」
「そうよ。秋の文化祭でミスター&ミスコンテストをやるのは知ってるわよね?」
「うん…当日、アンケートを実施して決めるんだよね?」
それはうちの文化祭の目玉イベントで。
男子は可愛い女子に、女子はかっこいい男子に、一人一票投票する。
ちなみに去年のミスグランプリは凛子だった。
「うちは生徒数が多いから、事前調査をやるのよ。昇降口にボックスが用意されてて、名前を書いた紙をそこに入れるの。自由投票だから何枚入れても、もちろん入れなくてもいい」
「そんなのあったんだ…全然気付かなかった…」
確かに言われてみれば、先月末頃までボックスが設置されてたような…
その周りを囲って、女子がキャアキャア騒いでたのを思い出した。