オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
そう、蒼君は本当に魅力的な人。
オーラが凄いというか、目を奪われる。
そこにいるだけで空気が変わるんだ。
昨日出会ったばかりなのに、私はすでにあの空気に飲まれていた。
「でも、人気の一番の理由はあれね」
「あれ?」
「そろそろのはずよ」
そう言って、凛子は手招きして私を窓側に連れて行った。
「ほら、見てみ。あそこ」
「ん?」
凛子の指差す方を見ると、そこには朝から黄色い声を上げる女子生徒の群れ。
その群れに囲まれるようにいる人物ーー。
「ーー…蒼君⁇」
蒼君は、その中心で爽やかな笑みを振りまいている。
右隣りにはリボンの色からして三年生だろうか。
スレンダー美人の先輩が蒼君にぴったりとくっつくようにして腕を絡めていた。